スピーカーの原理
スピーカーの型式
後面開放型 |
ギターアンプなどに用いられる。 低音まで再生しにくく、コーン紙が野放図に動いてしまうため、許容入力は低くなる。 |
密閉型 |
完全に密閉されたエンクロージャー。 大きいほど低音まで再生される。 |
バスレフ型 |
スピーカー後面からの音圧を積極的に利用するため、密閉型スピーカーのバッフルに穴をあけ、ダクトを取り付け位相反転させたもの。 ダクトの位置や長さ・口径で低音の特性が変わる。家庭用オーディオやスタジオモニター、PAなど広く用いられている。 |
フロントロードホーン型 |
スピーカーユニットの前面に短いホーンを取り付けたもの。 能率が良く遠くまで音を届かせることができるため、PAやホールのプロセニアムスピーカーなどに用いられる。 重低音は出せないが、逆に重低音まで出したくないとき(講演など)には有利。 バスレフ型式と組み合わせて低音再生を改善したものもある。 |
バックロードホーン型 |
スピーカーユニット後面に、折り畳んだ長いホーン構造を持たせたエンクロージャー。 ホーン長が長くとれるため低音まで再生しやすいが、長い分前面からの音と後面からの音とで時間差が生じ、特性に影響する。 設計や設置場所がむずかしい。 |
フォールデッドホーン型 |
スピーカーユニットの前面に長いホーン構造を取り付け、スピーカーユニットからの直接音は出さない。 重低音の再生に用いられる。 |
フルレンジ |
1本のスピーカーユニットで低音から高音まで再生できるユニット。 ただし、重低音や超高音までは再生できず、マルチウエイシステムの中低域用として使われることが多い。 また高音再生を改善するために、ユニット中央に小型のホーントゥイーターを取り付けた「同軸スピーカーユニット」などもある。(カーステ用の2ウエイスピーカーはほとんどこのタイプ) |
ウーファー |
主に低音再生を目的にしたユニット。コーン型。 低音再生のために大きくてやわらかいが、同時にやわらかすぎると歯切れが悪くなるため、材質が工夫されている。 |
スコーカー | 中音域用ユニット。ホーン型とコーン型がある。ミッドレンジとも言う。 |
トゥイーター |
高音域用ユニット。ホーン型が主。(ドームトゥイーターと言うものもある) 金属製の短いホーンが付いている場合が多い。指向性が狭いため、複数個使用したりホーンを取り付けたりする場合がある。 |
ネットワーク方式 |
パッシブ方式とも言われる。 コンデンサーとコイルを利用して、音声信号を分割する方式。電源が不用。 パワーアンプとスピーカーユニットの間に挿入するので許容入力に注意が必要。 さらに負荷インピーダンスによって特性が変化してしまうので、基本的にそのスピーカーシステム専用となる。 |
マルチアンプ方式 |
チャンネルデバイダー(エレクトロニッククロスオーバー)と言う機器を用い、アンプ入力前に音声信号を各帯域に分割する方法。 そのため、分割したそれぞれの帯域ごとにパワーアンプが必要となるが、スピーカーシステムにあわせて細かく設定が変えられる。会場の規模などでスピーカーシステムの規模や設定が変化するPAに最適。 一方、パワーアンプをたくさん用意しなくてはならないため、電源の確保やシステム自体が高価になるなどのデメリットもある。 |
ホーン
エクスポーネンシャルホーン |
断面が、円形若しくは楕円形のホーン。 比較的指向性が狭いが、音響レンズを取り付けることにより指向性を広げることもできる。 |
ラジアルホーン |
断面が長方形のホーン。 エンクロージャーなどに収めやすいが、周波数によって指向性が変化するのが難点。 |
セクトラル(マルチセルラ)ホーン |
いくつかの小さいホーンを束ねたような形のホーン。 狭くなりがちな高音域の指向性を広げ、会場の隅々まで高音域の音を提供するために使用する。 体育館やアリーナなどでよく見られる。 |
定指向性ホーン |
ラジアルホーンの形状を工夫(ホーンの途中で開口角度を変えるなど)して、周波数によって指向性が変化するという欠点を改善したもの。 形状によって、「マンタレーホーン」「CD(constant directivity)ホーン」「バイラジアルホーン」などの種類がある。 |
ホールのスピーカー
フォールドバックスピーカー